本研究では気候変動に伴う底泥におけるリン溶出現象を明らかにするため、以下の研究テーマについて研究を行った。(1) 湖沼における気候変動の影響に関する研究―特に日射量増加に伴う湖沼水温上昇解析; (2) 水温上昇に伴う底泥リン溶出速度の変動解析; (3) 湖沼底泥間隙水中における硫酸イオン・硝酸イオンと栄養塩溶出に関する研究.これらの結果、(1) 1992年から2019年までの間に特に春季に水温が上昇しており、日射量の増加が湖沼水温に与える影響が大きい。(2) 底泥におけるリン溶出速度は、20℃を超えると非線形的に上昇する。(3) 硫酸イオンが極めて重要な役割を果たしていることが明らかになった.
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