近年,シニアカーに代表されるハンドル型電動車椅子が,高齢者や障がい者の移動負担を軽減するための歩行補助用具として注目されており,誰もが安心して利用できる歩行空間の形成には,ハンドル型電動車椅子に着目した新たな路面評価手法が必要である.本研究では,歩行空間における利用者動線の面的な広がりを考慮し,歩道においても運用可能な三次元計測システムを構築し,歩道路面における特異な路面状況をウェーブレット変換により合理的に点検する方法を開発した.また,目視や歩行では把握できない路面凹凸について,ハンドル型電動車椅子の振動特性に基づき診断することで,走行時の乗り心地に及ぼす影響を明らかにすることができた.
|