ブルーカーボン機能の生態系相互作用を明らかにすることを目的に,大阪湾沿岸域において,13の干潟の調査を行った.干潟では水面から二酸化炭素は放出傾向であり,堆積物は干出中に有機物の分解が促進されて二酸化炭素は放出していることが考えられた.さらに湾奥部の尼崎運河において,年間を通して大気から水面に二酸化炭素は吸収傾向であった.また,水中に吸収された二酸化炭素は植物プランクトンに吸収されて高次の捕食者である動物プランクトンと貝に有機炭素の形で炭素が移行していることを示した.このように炭素固定に関わる炭素フローを定量的に示すことで二酸化炭素のガス交換とそれに関わるメカニズムを総合的に明らかにした.
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