研究実績の概要 |
本研究は,都市建築における持続可能な水インフラを実現するために,3つの研究課題を並行実施するものである。昨年度までに計画当初の研究成果が得られた課題1と課題2については,SDGsの目標6,9,11,13の4目標との関連性を明確にし,課題3において生じた新たな取組み課題である降水特性変化と建築設備容量との関係性,コロナ禍による建築物の水需要に与える影響についてのアプローチを加えた。コロナ禍の活動制限により研究実績としては限定的となったが,研究成果の総括と研究期間中に発生した新たな課題にも柔軟に取り組み,一連の研究成果の外部発信を行うことが出来た。具体的概況は以下の通りである。 (1)研究発表(Proceeding査読付き)1件:課題1課題2の研究総括と課題3に関連して研究期間中に生じた新しい課題を包含すべく,ゼロウォータービル評価に着目し,その内容をCIB W062国際シンポジウムにおいて研究発表を行った。 (2)各種報告文1件:上記研究発表を行った国際シンポジウムのオンライン開催に関する報告文を空気調和衛生工学会誌に寄稿した。この報告文の中では,当研究課題の他,都市建築に係る水環境や給排水設備の国際的動向を国内学術雑誌にて情報発信した。 (3)著書2件:雨水利用建築の実態調査や性能評価に基づく知見を専門書籍(笠井利浩他(共著), 水環境の辞典)に,3つの研究課題にて得られた知見を都市建築における持続可能な水循環やエネルギーから視点として初学者向け専門書籍(西川豊宏他(共著),建築学の広がり)に寄稿し,一般向けの情報としての研究実績の外部発信が成された。 以上,今年度の研究成果の外部発信等は,著書1件,研究発表1件,雑誌への寄稿2件である。その他,オンラインシンポジウム2件(感染症と給排水衛生設備(8月25日),レジオネラと給排水衛生設備(2月21日))を開催した。
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