研究課題
基盤研究(C)
本研究は、ポストバイヨン期のクメール建築の建築的特徴の解明を目的とし、アンコール遺跡群内の遺構の資料収集と、西トップ遺跡の現地調査、また類例調査としてアンコール・トム王宮内のテラス遺構および、プリア・ピトゥ遺跡を調査し比較検討をおこなった。西トップ遺跡については前身基壇や下層遺構の存在を明らかとし、西トップ遺跡の変遷の解明と復元に資する資料を新たに発見した。また、類例調査よりポストバイヨン期の建築事例とその特徴に関する考察を加えた。
建築史
アンコール遺跡群のクメール建築については、アンコール王朝以後のポストバイヨン期の建築についてこれまで十分な研究がおこなわれていなかった。本研究では、この時期の建築である西トップ遺跡について発掘調査や解体にともなう建築調査や、他の遺構との比較検討を行うことにより、建築的特徴を明らかとし、ポストバイヨン期の建築の特性を示すことによって、貴重な文化遺産であるアンコール遺跡群の適切な保存のための基礎資料を提示する。