研究課題
基盤研究(C)
本研究では,これまでに我々が提案した,静電気放電から電子機器を保護するために電子回路上に多く実装されているESD保護素子の特性をより詳細に計測する方法と,その動的な特性を機器の電子回路設計で用いる高周波回路シミュレーションに反映させる方法の改良を行った.さらに,この計測方法を,保護素子の一種であるバリスタに対して新たに適用するための検討を行った.まだ途中段階ではあるが,同等の仕様を持つ複数種のバリスタ間の僅かな特性差の計測ができたため,この手法を確立できる可能性が高いことを確認した.
静電気放電、環境電磁工学、センシング信号処理
本研究成果の学術的意義は,ESD保護素子にESDが印加された際の特性の解明につながる知見が得られたことと,これらの特性の計測・モデル化方法についてノウハウが蓄積できたことである.今後の研究を通じて本手法が確立されると,電子機器設計時のESD保護素子の選定をはじめとするESD対策設計が効率的に行えるようになり,開発期間短縮・試作コスト削減,ESD対策の高度化や電子機器の信頼性向上に繋がる点において社会的意義がある.