本研究の目的は,実環境下での使用に耐えうる悲鳴検出システムを構築し普及させることである.まず,実環境下でも高い検出性能を実現するため,深層学習を利用した悲鳴強調手法を提案した.劣悪な雑音環境を想定したシミュレーションにより,高い悲鳴強調効果および悲鳴検出性能が得られることを確認した.次に,小型PCでもリアルタイムに動作させるべく,演算量の削減に取り組んだ.悲鳴が持つ強い周期性を利用することで,従来と比べ1/19のパラメータ数で同等以上の悲鳴強調効果を得ることに成功した.最後に,類似音と悲鳴の識別を容易にするため,上述の悲鳴強調処理を複数回適用する新たな手法を提案し,その有効性を確認した.
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