研究課題
基盤研究(C)
歩行者行動モデルを改良することで、歩行者シミュレーションの高精度化を目指した。このため、遠方からのビデオ撮影による巨視的計測とアイトラッカーを用いた視線追跡による微視的計測の両手法によるデータ収集を行った。通路上の歩行位置、障害物の回避方向、歩道上の自転車・歩行者混在時の挙動について計測を実施した。計測データをもとに、力学ベース歩行者モデルのパラメータを決定し、歩行者行動モデルの高精度化に成功した。
社会・安全システム科学
歩行者行動モデルを高精度化することで、階段やエスカレータ、非常口などの最適配置に歩行者シミュレーションを活用することができる。このことは、安心・安全な歩行者空間の設計に寄与できるものと期待される。特に本シミュレーション手法は力学ベースのモデルを用いているため、高密度な群集流にも適用できる。つまり、地震・火災等の発生時における建物からの避難のような状況にも適用可能であり、さらに群集事故の解析にも活用できる。