研究課題
基盤研究(C)
シリケート化合物ABSi2O7(A=K, Rb, etc, B=Nb, Ta)はNbO6八面体の回転に由来する変位型強誘電体である。本研究では、量子ビームを用いたABSi2O7の微視的構造から強誘電性及びイオン導電性発現機構を解明し、高機能性強誘電体の創製に展開することを目的とする。具体的にはKNbSi2O7粉末試料を合成し、X線回折を行なった。得られたデータについて精密構造解析およびFourier合成及び最大エントロピー法を用いた解析を実施した。
量子ビーム科学
シリケート化合物強誘電体は、地球上の地表付近に存在する元素の割合を示すクラーク数の高い元素で構成された物質群として近年注目を集めている。非線形光学結晶として知られるKNbSi2O7は, NbO6八面体に由来する変位型強誘電体である。KNbSi2O7の基本構造はNbO6八面体とSiO4四面体が頂点共有ネットワークを形成し, 大きな空隙を持つことを特徴とする。これら結晶構造のもつ特徴から、K+カチオンの移動自由度に基づく機能性材料の開発に繋がる可能性があり、量子ビームによる微視的機構の解明は研究開発に意義があると考えられる。