研究課題
基盤研究(C)
酸化物イオン伝導性を持つ蛍光体薄膜に直流電圧を印加して電流,輝度,発光効率の時間依存性を測定した.その時間依存性は電気化学発光セルと酷似していた.この結果は,電圧によって酸化物イオンが移動し,電極界面に正・負の電荷が蓄積することで高電界が形成され,電子とホールが薄膜に注入されて発光するというメカニズムを強く示唆している.また,注入された電子とホールが発光中心に捕捉されることで発光中心が励起・発光することを示唆する結果を得た.
機能性酸化物材料の研究・開発
本研究成果の学術的意義は,酸化物イオン伝導体の薄膜に5 V程度の電圧を印加することで酸化物イオン伝導体の電子伝導性と発光特性を制御するという,これまでにない機能を実現したことである.今後,リチウムイオン伝導体や水素イオン伝導体などへ展開が可能であり,その特性を解明することで,新しい発光素子,記憶素子,半導体素子などへの応用が期待される.