研究課題/領域番号 |
19K05023
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
坪内 信輝 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (10357535)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ダイヤモンド / 半導体デバイス / ホモエピ成長 / 格子歪 / 結晶性 |
研究実績の概要 |
前年度に引き続き、ダイヤモンド試料のサブミクロン空間スケールでの歪空間分布評価に向けた実験を行い、希望観察位置での収束回折図形の撮影を可能とするための、分析領域サイズの評価、特有の小さな格子定数に伴う回折図形観察域の制限に関する評価を行った。これに加え、電子線エネルギーに関わる回折図形の広がりと、それに密接に関連する実質的な観察領域や画像強度に関する評価と検討も併せて行った。また、昨年度までに明らかになった、観察中試料へのコンタミネーションと帯電による像ブレ現象に関する対処法を見出したことで、観察における不具合を一定の条件で克服できる見通しを立てることが出来た。コロナ禍の影響で外部施設利用が難し期間が続いたが、高温高圧合成ダイヤモンドについて、所望の観察位置においてゼロ次及び1次ラウエ線を、一定のコントラストで安定して観察することができ、サブミクロン空間スケールでの観察部における歪量の分析を行える目処を立てた。観察用試料の準備も併せて行った。すなわち、観察対象である、デバイス用エピ膜で重要となる基板中に含まれる拡張欠陥類(転位、異常成長部、積層欠陥等)がTEM用の小さな観察試料に適切に含まれるよう、位置精度良く観察部をサンプリングすることが可能となり、その作成に成功した。その結果、積層欠陥と、そこから発生する転位列の変換部を含む基板とエピ膜界面部位のサンプリングとそれに引き続くTEM観察において、基板部とエピ膜との界面付近で互いの回折コントラストが大きく変化することを見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ダイヤモンドを対象としたサブミクロン空間スケールでの歪空間分布評価の実現に向けた実験を引き続き行う必要があったが、コロナウイルス禍の影響で外部施設利用が難しく、その点での十分な検討が行えない部分も多かった。その中で、希望観察位置での収束回折図形の撮影を可能とするための分析域サイズの評価や、小さな格子定数に伴う回折図形観察領域の制限に関する評価を行うことが出来た。また、電子線エネルギーに係る回折図形の広がりと、それに関連する実質的観察領域と画像強度に関する制限の評価を行う等、昨年度明らかになった問題も含め、一定の見通しは立てられたと考えている。それと並行して、観察用試料の準備も併せて行い、拡張欠陥類が含まれるような注目部位を、位置精度良くサンプリングすることで、所望の部位を含むTEM観察用試料の作成を適切に行い、次年度に繋がる像観察結果を得た。このような社会状況の元、全体としてやや遅れているが、これら上記の結果を元にして計画の遅れを取り戻すことは可能と考えている。
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今後の研究の推進方策 |
コロナウイルスの影響で外部施設利用が難し期間があった。今後もこのような状況が多かれ少なかれ強弱を付けて繰り返し、間欠的に起こることが懸念されるが、影響が緩和される時機を見計らい、見出された界面部付近の異常コントラスト差の原因を、サブミクロン空間分解能で界面周辺の幾つかの場所についての格子歪の定量評価を実施することにより明らかにすること等で、当該計画を実施していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ感染拡大防止に関連する行動制限のため、外部施設の使用がかなり困難な時期が多く、その見極めも難しかった。そのため、次年度使用額が生じることになったが、掛かる社会情勢の状況を見ながら、外部装置利用のみならず、その代替手段やこれまで得られた実質的研究成果の内容も踏まえた検討をしながら計画の遂行を行っていく予定であり、期間全体を通じた効果的予算使用を行っていくことが十分可能と考えている。
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