単相CNTは優れた物性があるにも関わらず、その扱いにくさ故に社会的に十分には活用されていません。扱いにくさの理由の一つは強い凝集力で絡まりやすいところにあり、優れた性質も1本ずつ孤立分散した状態でないと発現しません。こういった課題を光応答性の有機電解質低分子の吸着によって解決する検討をすすめ、CNT薄膜を塗布法で作製するための濃厚水溶液に液晶性が発現することを見出しました。親水/疎水処理を施した基材にこの溶液をディップすると、基材の表面エネルギーによってCNTの配向を制御可能なことを見出しました。CNTを温和な条件でうまく配向させることができれば、分光技術に必要な素子の作製も期待できます。
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