近年の輸送用機器の電気化に伴って,高導電率と高強度を両立し,更に軽量なワイヤー・ケーブル用金属材料が必要とされている.そのような目的には,比重の小さいアルミニウムがよく用いられる.従来,金属材料の高強度化は多量の合金元素を添加する合金化を通じて実現されてきた.しかし,多量の合金元素を添加する場合は,添加元素が自由電子を散乱する.そのため,合金化によって高導電率を実現することは難しかった. 本研究では,通常用いられない遷移金属元素をアルミニウムに微量添加したモデル合金を準備した.この合金に巨大ひずみ加工を施すことで,高強度化と高導電率化が可能であることを示した.
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