研究課題
基盤研究(C)
磁場・磁気力場を利用した材料プロセス開発の1つとして,磁場中で物理気相輸送法による結晶作製を可能とする装置を試作し,尿素を試料として実証を試みた.その結果,尿素結晶の析出位置が磁気力の影響を受けること,即ち,上向き磁気力が働く場合には磁気力が働かない場合に比べて上方に,下向き磁気力下では下方に結晶が析出することを見出した.このことは,気相の動きを磁気力によって制御できる可能性を示唆している.
磁気科学
磁場中物理気相輸送法によって析出する結晶の位置が磁気力の影響を受けるということは,成長空間の温度勾配に加えて磁気力によっても析出位置を制御できる可能性を示している.磁場に対する応答が弱い反磁性物質に対しても明確な磁場,磁気力の影響が示されたことで,大半が反磁性である有機材料に対しても磁場中プロセスを利用することで新奇材料の作製が期待できる.