研究課題
基盤研究(C)
螺旋状波面に由来する位相特異点と軌道角運動量を特徴とする光を総称して、光渦と呼ぶ。光渦の発生方法は、波面変調素子や位相板などの光学素子を用いるのが一般的である。しかし、これらの発生手法は設計周波数でのみ動作することから、光渦のもつ軌道角運動量を保ったまま周波数を自在に変調できなかった。そこで本研究では、非線形光学効果の一種である差周波発生を用いることで周波数可変なテラヘルツ光渦の発生に成功した。周波数同調範囲は2-6THzであり、4THzにおいて~3.3μWの出力を達成した。
光量子工学
非線形フォトニクスに立脚した本手法において、これまで実現できなかったテラヘルツ光渦の周波数可変性を実現した。さらに、軌道角運動量の高純度固有モードを各発生周波数において担保できる点が大きな利点として挙げられる。周波数可変高純度テラヘルツ光渦光源を用いる事で、軌道角運動量を主成分とした新奇テラヘルツ分光など、テラヘルツ領域における光物性研究への新たな応用展開が期待される。