申請者らは、遅延蛍光性金(I)錯体の合成過程で副生した金(I)二核錯体が白色発光を示すことを見出した。この材料は剛直なリン2座配位子で架橋し、リン原子から伸びた2つの金―ハロゲンユニットが金部位でクロスリンクした構造を有していた。本研究では、新たに置換基を導入した2座配位子を用いこの特異な構造を有した錯体を数種合成し、光物性を検討した。その結果、配位子を嵩高くすることで分子の励起状態での構造変化が抑制され、量子効率が向上することを明らかにした。更に発光分子に“発光色を調整する配位子”を導入することで、ほぼ理想的白色光(デュアル発光)を示す金(I)二核ハイブリッド材料の合成に成功した。
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