研究課題
基盤研究(C)
黒鉛(グラファイト)という安価な原料を化学的に酸化することで作製できる酸化グラフェンの酸化状態を制御することに成功した。酸化状態が制御された(エポキシ基のみ)を持つ酸化グラフェンは、さまざまな酸素官能基を有する酸化グラフェンとは異なる特性を持つことが分かった。例えば、層間内の金属イオンの透過が全く起こらないこと、熱安定性が高いこと、酸や塩基に対する耐性も高いことが分かった。これは、単一酸素官能基の場合、酸化グラフェンの構造が均一で化学反応に対して安定なためである。
無機材料化学
単一の酸素官能基(エポキシ基だけ)を持つ酸化グラフェンを作製し、その構造を決定すること、およびその酸化グラフェンのイオン透過性、熱安定性などの特性を評価することによって、炭素関連材料の分野で新たな知見を与えることができた。この新規な酸化グラフェンは、燃料電池や電気化学キャパシタンスなどのデバイスのさらなる性能向上への材料として活用できると期待される