本研究は、A-to-I RNA編集による新たな遺伝子制御原理を探索することを目的とし、(1)RNA編集によるタンパク質翻訳に影響を与えるRNA構造体の誘起、並びに(2)RNA編集による5’非翻訳領域におけるタンパク質翻訳領域の生成に関する研究を実施した。研究項目(1)においては、RNA編集によりイノシンを含むG-quadruplex構造を誘起できること、及び、その構造形成がタンパク質翻訳を阻害することを明らかにした。また、研究項目(2)では、RNA編集により5’非翻訳領域に生じたAUIトリプレットが新たな開始コドンとして機能し、その結果、下流の翻訳が抑制されることを明らかにした。
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