アルツハイマー型認知症 (AD)患者の脳内で異常に凝集し,神経細胞障害の原因となるアミロイドβタンパク質の低分子オリゴマー形成を阻害する物質を天然植物から見い出し,新しいAD予防薬の開発へと繋げることを目的とした.数百種の植物を対象としたスクリーニングの結果,複数の活性素材を見出した.これらから活性物質を精製し,複数の高い活性を示す化合物を単離することができた.例えば,ゲンノショウコからゲラニインが活性物質として単離されたが,種々の検討の結果,主に活性を担う物質はゲラニインそのものではなく,その加水分解物であることを明らかにした.また,活性物質の誘導化により,元の物質より高活性物質を創製した.
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