テトラヒドロフラン環はリグナン、アセトゲニン、イオノフォアポリエーテル、マクロジオライドなど数多くの天然有機化合物中に見られる基本構造であるため、多置換テトラヒドロフラン環の立体制御合成は天然物合成における重要な課題である。本研究では、天然由来のフロフランリグナンであるセサミンを合成素子として利用し、ベンジル位の反応性に着目した新たな多置換テトラヒドロフラン環の立体選択的合成法の開発と種々のリグナン類の合成を目指した。MeReO3酸化により得られるラクトンは他のリグナン類の合成に繋がる重要中間体となりうる可能性が示唆された。
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