研究課題
基盤研究(C)
水溶性食物繊維の一種であるペクチンが腸管を構成する細胞に作用し,炎症性疾患に対して保護的に働いていることを明らかにした。このペクチンの疾患予防効果は,ペクチンの化学構造(中性糖側鎖含量やメチルエステル基の数や分布)に大きく依存することが明らかとなった。この成果は,腸内細菌叢には依存しない食物繊維の新たな保健効果が存在することを示唆している。
食品免疫学
疫学研究により食物繊維の摂取と疾病の予防効果に相関があることが見出されてきたが,「どのような食物繊維(種類・質)をどのくらい(量)食べれば,どのような疾患を予防できるのか」を示す科学的根拠に乏しいのが現状である。本研究成果は,保健効果の発揮に寄与する食物繊維の質の一端を明らかにし,新たな機能性食品の創出や疾病時の食事介入に関する重要な基盤情報を提供するものである。