食品のような固体試料から銀ナノ粒子(Ag-NP)を抽出し、sp-ICP-MS法へ供する前処理法について検討を行ったところ、酵素を用いた前処理法が最適であった。この方法を牡蠣試料へ適用したところ、平均粒径24~32 nm、最大粒径 63~361 nmのAg-NPを検出した。また、コンポジット試料をもちいて、平均的な日本人のAg-NPの曝露量を推定したところ、Ag-NPの曝露量は1.8 μg/person/day、150億 粒子/person/dayと推定された。Ag-NPのTDI と比較するとハザード比は1.3%と推定され、Ag-NPの食事性曝露による健康リスクは小さいと推定された。
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