マウス初期胚のエンドサイトーシス経路の最終到達点が大きな「液胞」であることを見いだした。「液胞」は従来、植物や菌類特有のオルガネラとされる。しかし、動物細胞でも「液胞」とよべる巨大なオルガネラが、ミクロオートファジーにより形成される。本研究では、このユニークなプロセスを駆動する分子装置の機能を失ったマウスを解析し、生理的な意義を明らかにした。初期発生における組織パターニングを支配するシグナル経路がミクロオートファジーによって制御されていること、また乳飲期の栄養吸収がミクロオートファジーに依存することなどの発見は周産期直前・直後の発達生理の理解にあらたな知見をもたらすものである。
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