本研究により,食用コムギであるパンコムギ(6倍体)およびマカロニコムギ(4倍体)のいずれの種においても,穂の光合成は干ばつ下の子実収量に大きく貢献する事が示された.また干ばつ下における穂光合成メカニズムおよび葉光合成との関係性を示唆する事ができた.これらの知見により,穂の光合成を通じてコムギの干ばつ抵抗性をさらに改善されることが大いに期待できる.これは,世界の食糧問題に資する上で大きな社会的意義がある. また,本研究で作成した穂光合成を直接評価可能なチャンバーにより,穂光合成能力の評価をより詳細に行う事が可能となった.これは,今後の穂光合成の研究を進めるうえで非常に大きな学術的意義がある.
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