ノビレチンはポリメトキシフラボノイドの一種であり,カンキツ果実のごく一部の品種に多く含まれる。本研究では,ノビレチンを多く蓄積するカンキツ果実とほとんど蓄積しない果実を用いて,マイクロアレイ解析を行うことにより,ノビレチン生合成遺伝子および関連する転写因子を単離し,機能解析を行った。その結果,CitOMT1はタンゲレチンからノビレチンへの生合成に関与し,CitOMT2はシネンセチンからノビレチンへの生合成に関与することが明らかにした。さらに,7個の転写因子の発現パターンは,品種間におけるノビレチン含量の違いとよく一致しており,ノビレチン生合成の調節に関与する可能性があることが示唆された。
|