世界の農作物の約15%は病害により失われており、人口増加に伴う食料不足を考慮すると、この損失をどのように抑えるかが重要な課題である。病原菌のエフェクタータンパク質は、植物細胞内に分泌され、植物免疫の阻害など自身の増殖に有利な環境を作り出す。そのため、免疫抑制活性を持つエフェクターは、植物免疫の主要な機構を標的にしていると予想される。申請者は、イネ白葉枯病菌のエフェクターの中から、免疫抑制活性を有するエフェクターXopZを同定した。さらに、XopZの標的タンパク質がイネの免疫を正に制御することを明らかにし、耐病性イネを作出する上で、この標的タンパク質が有用な遺伝子資源となる可能性が示唆された。
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