アルツハイマー病にはアミロイドベータペプチド(Aβ)が関与しており、Aβは重合・凝集することにより毒性が発現する。本研究ではフェルギノールをはじめとするスギ揮発性ジテルペン類のAβ毒性緩和機能について検討した。スギ材より単離されたジテルペン類ではフェルギノールおよびデヒドロフェルギノールに活性が認められ、これまでにAβ毒性緩和作用が報告されている抗アルツハイマー病候補化合物(ギンコライドA、カルノシン酸、ロスマリン酸、モリン)とほぼ同程度の効果を示した。また、in vitro条件でのチオフラビンアッセイによりフェルギノールはモリンと同等のAβ凝集抑制作用を有することが明らかとなった。
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