研究課題
基盤研究(C)
クラゲなどの海洋危険生物は、触れたとたんに激しい痛みをヒトに与えるものが数多く存在する。ところが、今までにこの痛みがなぜ生じるかということについて科学的な検証がなされたことはほとんど無かった。そこで我々の研究グループはヒトに対して痛みの被害を与える生物種について痛みを生じさせる化合物の検索を行ってきた。その結果、いくつかの興味深い化合物の単離ならびに構造決定に成功した。
海洋天然物化学
ハブクラゲは我が国においてその刺傷被害の激しさからもっとも危険とされる刺胞動物である。そのハブクラゲの毒液が貯まっている器官である刺胞を純粋に取り出した。またその中から毒液を取り出すことに成功した。その毒液について一定量存在するものすべてについて単離ならびに構造決定を行った。その結果、複数の刺胞の中に特異的に存在する化合物を見出すことに成功した。これらの化合物は「刺胞」が「刺胞」として存在するための鍵化学物質であると考えられる。