本研究では、照射光の効果によるニシキゴイの新しい体色向上技術の構築を目指して、光の波長スペクトルが体色と体色調節機構に及ぼす影響を調べた。その結果、ゼブラフィッシュの成魚とニシキゴイの大正三色において、照射光が体色に及ぼす影響は弱く、照射光の効果のみによって大正三色の体色を向上させることは困難であることが明らかとなった。その一方で、ゼブラフィッシュ成魚では体色調節ホルモンの発現応答に広い波長スペクトルを持つ光が必要であることが判明した。また、大正三色では体色を明化させるホルモンの作用がマゴイに比べて弱いことが、背地色に応じて体色が変化しにくい原因であることが示唆された。
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