瀬戸内海に生息するイカナゴの夏眠の発現を決める基準水温は13-14℃であることが示唆された.また,夏眠しない場合でもイカナゴの遊泳率は徐々に減少することから,活動量の低下は水温以外の要因によっても引き起こされることが示唆された.さらに,夏眠の指標物質として成熟に関与する殖腺刺激ホルモン放出ホルモン,テストステロン,摂食促進に関与するメラニン凝集ホルモン,抑制に関与するレプチンがイカナゴの夏眠に関与することが示唆された. 以上イカナゴの“夏眠”と“繁殖”に着目した本研究により,イカナゴの夏眠を示す指標となり得る物質の存在,夏眠の開始/終了を決定づける環境要因を追究することができた.
|