研究課題/領域番号 |
19K06250
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41010:食料農業経済関連
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研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
大石 太郎 東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (80565424)
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研究分担者 |
岩田 裕樹 広島修道大学, 人間環境学部, 教授 (90511692)
嶋田 大作 龍谷大学, 農学部, 准教授 (40527876)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 水産物エコラベル / フードチェーン / 支払意思額 / 価格プレミアム / 社会的責任消費 |
研究成果の概要 |
本研究では、フードチェーンの主体間の相互作用と全体に着目し、日本の水産物エコラベルの課題を分析した。①漁業者=流通業者間の分析では、MSCでは漁業認証が、MELでは海外のCoC認証が国産水産物輸出のボトルネックとなっていることが示された。②流通業者=消費者間の分析では、日本の消費者は水産物エコラベルに対して正のWTPを持つが、小売店舗では有意な価格プレミアムが見られず、小売業者が非価格的戦略を採用していることが示唆された。③フードチェーン全体では、漁業者の他に公的機関も資源評価情報の収集・整備の労力や費用を負担しており、その側面を考慮してエコラベル制度の政策的有効性を評価する必要性が示された。
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自由記述の分野 |
環境政策論、水産経済学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果の学術的意義は、これまでフードチェーンを構成する各主体に対して個別的な分析がなされてきた水産物エコラベルの研究において、個別レベルでの最適な制度設計が必ずしも全体として最適にならない点に着目し、各主体間の相互作用の考慮と全体の俯瞰に基づく分析を行った点である。本研究の社会的意義は、連鎖の結合部が機能しないことや外部費用の存在によってフードチェーン全体が機能不全に陥ってしまうことを防ぐための政策的視座を具体的に示したことであり、水産物エコラベル以外にも、森林のFSC認証制度や農産物の有機JAS認証制度を始め様々な環境認証制度への応用が期待される。
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