研究課題
基盤研究(C)
都市化に伴い、土壌中の粉塵由来のカルシウム、マグネシウムなどの濃度が高まり、植物に吸収されるマンガン量が相対的に減少したことと、窒素濃度が増加したことにより落葉などに含まれる難分解性有機物の分解が抑制されて土壌中の炭素濃度が高まった。また、都市化による粉塵の影響で土壌の酸が中和され、土壌動物の多様性が低下したことで、土壌動物による落葉分解が抑制されたことも土壌中の炭素濃度を高める要因であった。
緑化工学
都市緑地を管理する際に、都市環境が都市緑地生態系におよぼす影響に配慮する必要がある。現在の都市緑地での植物管理は、山岳地の森林や農地といった、都市化の影響をあまり受けていない地域で得られた知見に基づいて行われている。今後、都市域での緑地管理には、自然界の物質循環の要素を取り入れた管理を行うことが望ましく、都市環境が物質循環特性におよぼす影響を明らかにした本研究の成果が活かされると考える。