研究課題
基盤研究(C)
中枢神経系の発達に必須のタンパク質であるMARCKSは、メチル水銀による毒性の発現に関与することが報告されている。本研究では、分化誘導した培養神経細胞に対する各種有害金属の毒性、およびMARCKSの関与とその制御機構について解析した。その結果、MARCKS発現量やリン酸化状態の変化がその毒性発現機構に重要である可能性を示した。さらに、メチル水銀以外の重金属による毒性にもMARCKSが広く関与していることを明らかにした。
基礎獣医学
有害金属による健康被害は近年においても国際的な懸念事項である。本研究で、分化誘導した培養神経細胞においてMARCKSがその毒性に広く関与することを明らかにした意義は高い。また本研究で提示された培養神経細胞の分化誘導法およびMARCKSの機能解析手法は、重金属毒性を含む神経学的研究の発展において非常に有用であることを示した。