研究課題
基盤研究(C)
本研究ではホッキョクグマやヒグマなどのクマ科動物の飼育下繁殖を促進するために雄の造精能力評価基準や雌の卵胞発育パターンと発情様式を明らかにした。また雌性生殖器の詳細構造から人工授精に必要な器具や方法なども明らかにし、排卵誘起方法も確立した。さらに着床遅延中の妊娠診断に血中遺伝子がマーカーとなる可能性を示唆した。加えて複数の動物園に協力することで動物園動物に対する繁殖生理の解明や臨床繁殖学的なアプローチの普及を行った。
繁殖学
クマ科の多くが絶滅危惧種であり、人工授精が可能となれば個体数を増やすことのみならず、これまで産子を得ることがなかった個体を繁殖計画に供することができ遺伝的多様性の維持へも寄与できる。またホッキョクグマは地球温暖化の影響による絶滅危惧種としても注目されているため、本研究が動物園および野外における保全に与える影響は大きく、臨床繁殖学的支援を受け入れる素地を作ることが可能である。