本成果は、精原細胞の増殖と分化の調節や、精子形成の継続性と加齢による破綻現象の一端を明らかにしており、畜産・動物生命科学への学術的な波及に寄与する。また現在、畜産動物の精原細胞を体外移植して精子を作製する技術が開発されている。本知見は、移植後の精子形成の効率改善に応用でき、この技術を活かして効率的な動物生産への展開が期待される。 さらに、ヒトの不妊は社会的要求の高いテーマであり、国内の不妊カップルは 約7組に1組と推定される。不妊症の約半数は男性側に起因し、主な原因として精子形成の障害が知られる。本成果は、加齢による男性の妊性低下の原因究明や治療法開発に繋がり、社会への還元が期待できる。
|