本研究は、細胞の「かたち」の変化が脱分化および多能性獲得といった細胞がもつ機能の転換を決定するかを明らかにする目的で行われた。ブタ卵胞顆粒層細胞(pGC)は培養皿底面に接着する培養6時間後に接着斑および線維状(F)アクチンを形成すると、アロマターゼ遺伝子などpGC特異的遺伝子群の発現が急速に低下した。一方、細胞骨格(CA)の形成に関与する遺伝子群は細胞が伸長する培養12時間後まで急速に増加した。pGCが脱分化する培養12時間後までに発現変動する遺伝子群の上流因子を解析した結果、細胞形態形成および細胞増殖に関与する2つの転写調節因子が抽出された。
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