多細胞生物は細胞間コミュニケーションにより個体内で総合的な調和を維持することにより、一個体として生命を維持することが出来る。近年、細胞外には細胞外小胞が大量に存在し、細胞外小胞に含まれる因子が遠く離れた細胞に取り込まれ機能することが示されている。現在はがんの転移などにも寄与していることが提唱され、腫瘍などバイオマーカーとしても脚光を浴びている。本研究では、I-BARタンパク質が細胞膜を突起構造に誘導しその突起が切断されるという、これまでにない新規の細胞外小胞の形成分子メカニズムの一端を明らかにした。その結果、細胞外小胞をターゲットにした創薬基礎基盤の提唱し、社会的意義のある研究結果となった。
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