リン酸が重合したポリマーであるポリリン酸(PolyP)の新奇な生理機能や制御機構について,分裂酵母S. pombeを材料として研究を行った。リン酸輸送体をふに制御することで,リン酸の細胞への取り込みを制限するユビキチンリガーゼPqr1に着目し,その遺伝子破壊株ではPolyPが液胞に過剰に蓄積すること,液胞に過剰に蓄積したPolyPは液胞内のタンパク質分解系を阻害することでオートファジー依存的タンパク質分解の異常を導くことを示した。この成果は,PolyPと飢餓誘導性オートファジー依存的タンパク質分解とのリンクを最初に指摘したものと言える。
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