研究課題
基盤研究(C)
研究代表者は東アジアに多いヒト脳血管疾患もやもや病の責任遺伝子をクローニングし、ミステリンと名付けた(別名RNF213)。ミステリン遺伝子のATPアーゼ活性、ユビキチンリガーゼ活性を実験的に証明し、ミステリンが脂肪滴結合性の代謝制御因子であり、もやもや病変異によりその機能が損なわれることを明らかにした。ミステリンの代謝機能について詳しい解明を進め、ミステリンが脂肪滴表在性プロテオームの編成制御因子である可能性を見出した。
細胞生物学
もやもや病は我が国を始めとする東アジアに多い重篤なヒト脳血管疾患であり、小児脳梗塞や精神発達遅延、深刻な脳出血を生じる場合がある。病因、病態メカニズムとも明らかでなく、根治療法も確立していない。頭蓋切除による血管バイパス形成が有効であるが、しばしば再発を認める。本研究を含む研究代表者による一連の研究(もやもや病遺伝子の分子クローニング、活性解明と生理・病態機能探索)によりもやもや病の病態メカニズム解明は着実に進んでおり、一定の学術的・社会的意義がある。