様々な生命現象は多様なシグナル経路の複雑な相互作用により制御される。本研究では、数理生物学的手法と実験生物学的手法を融合することによる複数シグナルの相互作用の包括的な理解を目指した。具体的には、ショウジョウバエ視覚中枢にみられる「分化の波」の進行現象に着目し、進行を制御するシグナル経路の相互作用の解明を目指した。 「分化の波」の進行を制御するEGF、Notch、JAK/STATといった既知のシグナル経路に加え、インスリン、TOR、Wntシグナルに着目し、シグナル間相互作用の解明に取り組んだ。また、細胞の大きさや格子の形状の情報を保存したまま空間離散モデルを連続化する新規の数理手法を確立した。
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