申請者は遺伝子にコードされたレチノイン酸プローブ、mGEPRAを発現するトランスジェニックマウスを作成し、胎仔期における四肢の発生におけるレチノイン酸の役割を解明することを試みた。 当初、前後軸に沿ったレチノイン酸分布があるとの想定のもと、マクロズーム顕微鏡や共焦点顕微鏡を用いて解析を行ったが、特徴的な分布は観察されなかった。しかしながら、トランスジェニックマウス胎仔(胎生9日、10日)の前肢を含む急性スライスを作成し、レチノイン酸分布を解析したところ、これまでのsource-sinkモデルでは説明のつかない分布を示すことを発見した。更にこの分布のメカニズムを探るべく組織学的解析を行った。
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