研究成果の概要 |
シロイヌナズナのサーモスペルミン非感受性変異株itsの解析をすすめ,its1, its3, its7, its11がそれぞれRNAメチル化酵素,RNAスプライシング関連タンパク,RNA結合タンパク,RNAシュードウリジン化酵素をコードする遺伝子に変異を持っていることを突き止めた。以上の結果から,サーモスペルミンの作用にRNA修飾が深く関わることが強く示唆される状況に至った。 サーモスペルミン欠損変異acl5に対する抑圧変異株sac503についても原因遺伝子を特定し,サーモスペルミンが翻訳促進する標的遺伝子SAC51のuORFに塩基置換を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ポリアミンはあらゆる生き物がもつ低分子塩基性化合物で,多様な生理活性を持つ。シロイヌナズナの解析から,オーキシンによる維管束分化の誘導をポリアミンの1つであるサーモスペルミンが抑えるという機能を明らかにしたが,その作用機構は不明である。本研究では,サーモスペルミン非感受性変異株itsを単離し,its1, its3, its7, its11がそれぞれRNAメチル化酵素,RNAスプライシング関連タンパク,RNA結合タンパク,RNAシュードウリジン化酵素をコードする遺伝子に変異を持つことを突き止め,サーモスペルミンの作用にRNA修飾が深く関わることを明らかにした。
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