動物細胞などでは、リソソーム(液胞)とミトコンドリアの物理的な相互作用が脂質輸送やミトコンドリア分裂などに関与する。VIG1は他生物にも存在し、本研究成果は他生物に展開できる可能性がある。また、真核生物は古細菌型の宿主がミトコンドリアを獲得して誕生し、その後、動物・菌類・アメーバ類のもととなる系統と植物などを含む系統に分岐した。細胞質分裂の最終段階におけるESCRTの機能は、これまで一部の古細菌と動物細胞でしか知られていなかった。シゾンの細胞質分裂に関わる本研究成果は、ESCRTが真核生物の始原的な細胞質分裂装置である可能性を示唆し、真核生物の進化を理解する上でも重要な知見と考えられる。
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