研究課題/領域番号 |
19K06768
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44050:動物生理化学、生理学および行動学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
岩越 栄子 広島大学, 統合生命科学研究科(総), 特任准教授 (50311296)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 視床下部 / 熱産生 / 褐色脂肪組織 / 神経ペプチド |
研究成果の概要 |
我々は視床下部から新規分泌性小タンパク質NPGLを見出している。哺乳類を用いた先行研究からNPGLが白色脂肪組織における脂肪蓄積を促すことを見出している。本研究では、げっ歯類において、NPGLによる熱産生低下作用を検討することを目的とした。げっ歯類を用いた解析から、NPGLは褐色脂肪組織での脂肪合成と脂肪蓄積を介し、熱産生を低下させることを見出した。形態学的解析から、約50%のNPGL産生細胞がGABA作動性神経細胞であることが分かった。本研究の遂行により、NPGLは視床下部内で作用し、エネルギー消費を低下させ、熱産生を下げる機能があることが示唆された。
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自由記述の分野 |
神経生理学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々ヒトを含めた哺乳類は恒温度物であり、体温調節は極めて重要である。体温調節の制御理解は、熱中症や低体温症の対策・予防にも繋がる。研究代表者らが発見した新規脳因子のNPGLは脂肪蓄積や肥満などに関わることを見出していたが、本研究の遂行により、褐色脂肪組織の熱産生を抑制していることが明らかになった。本研究成果は、エネルギー代謝調節機構の解明へ重要な新知見を加えたため、学術的にも社会的にも大きな意義を持つ研究であると考えている。
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