研究課題/領域番号 |
19K06816
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45030:多様性生物学および分類学関連
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研究機関 | ふじのくに地球環境史ミュージアム |
研究代表者 |
早川 宗志 ふじのくに地球環境史ミュージアム, 学芸課, 准教授 (80783828)
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研究分担者 |
末次 健司 神戸大学, 理学研究科, 准教授 (70748839)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 寄生植物 / キヨスミウツボ / MIG-Seq / 倍数性 |
研究成果の概要 |
MIG-Seqおよび倍数性の結果から,キヨスミウツボは遺伝的に大きく3つのクレードに分かれる傾向が見いだされた。各クレードは,地理的な距離に由来する地域性よりもむしろ,2倍体,3倍体,4倍体という倍数性が対応していることが明らかになった。既報(中西ほか 2006)により,3倍体は,2倍体と4倍体の交雑によって生み出されていると考えられてきた。しかし,分布状況とMIG-Seqに基づくstructure解析の結果を併せて考えると,3倍体は少なくともF1雑種ではないことがわかった。以上の結果から,キヨスミウツボにおける2倍体,3倍体,4倍体の各々が独自の系統として種分化し始めていると推測された。
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自由記述の分野 |
植物分類学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
植物でありながら光合成能力を喪失して他の植物から栄養を得るという寄生植物における進化や種分化のパターンとプロセスは,多くの生態学者,進化生物学者が興味を惹いてきたテーマである。これを明らかにするためには,対象の寄生植物とその近縁種を比較する比較生物学的な方法が考えられる。しかしながら別種間の比較では,系統的に離れていることから正確な進化の過程を追うことは難しい。一方,キヨスミウツボは今まさに種分化を生じつつあると考えられることから,同種内の変異(極めて近い過去に起こった変異)に着目することで,系統学的に離れた植物間の比較解析では得られない強固なロジックを導き出すことができると期待される。
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