研究課題
基盤研究(C)
ハマカンゾウは、早朝に花を咲かせて、夕方に花を閉じる昼咲きの花である。一方、キスゲは、夕方から咲き始め、翌朝に閉じる夜咲きである。本研究では、開花時刻の違いに関与する遺伝子「花時計遺伝子」を特定することを目的に、ハマカンゾウとキスゲについて、Chromium(10x Genomics)シーケンサーによる全ゲノムシーケンスを行い、ゲノム情報を得た。想定されていた以上にゲノムの構造が複雑であった。概日時計に関わる遺伝子の配列比較を行った。
進化生態学
本研究で、4Gbp以上の比較的大きなゲノムサイズの解析に挑戦したことは、植物ゲノム研究への貢献も大きいと期待される。ゲノム解析を達成することは、近縁種をはじめ、この属の進化の解明に大きな知見をもたらす。また、1日のなかの開花時間の違いという、植物の生物時計と開花現象の関係を明らかにすることで、植物の花の咲く時間の理解が深まった。