研究課題/領域番号 |
19K06836
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45040:生態学および環境学関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
土田 浩治 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (00252122)
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研究分担者 |
岡本 朋子 岐阜大学, 応用生物科学部, 助教 (50588150)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ワーカー産卵 / ポリシング / 体表炭化水素 / 移植実験 |
研究成果の概要 |
フタモンアシナガバチの産卵ワーカーと女王の体表炭化水素の変化を、ワーカーの羽化直後とその後1週間ごとに継続して採集し、GC/MSで分析した。その結果、産卵ワーカーは産卵能力獲得前後で特に体表炭化水素に変化はなく、女王の物と明確に区別され、体表炭化水素が女王のシグナルとして機能していることを示唆していた。また、卵の移植実験を行った結果、16.2%(12/74)の卵が他コロニーでも生存し、その75%(9/12)が特定のコロニーに由来することが明らかとなった。この結果は、卵の体表炭化水素にコロニー間変異が存在し、強いシグナルをもつコロニーが存在することを示唆していた。
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自由記述の分野 |
昆虫生態学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
産卵の能力を獲得したワーカーは、体表炭化水素が女王化するのでは無く、女王とワーカーは明確に区別されることが明らかとなり、女王とワーカーは不可逆的に決定されることが明らかとなった。また、特定のコロニーが強い女王的なシグナルが存在することが明らかとなった。これまで、ワーカーは産卵能力獲得後は女王的になることがPolistes dominulaで報告されてきたが、今回の発見は、それ以外の道筋が存在することを強く示唆している。また、女王シグナルには強いコロニーと弱いコロニーが存在することが明らかとなり、女王間にもシグナル変異が存在することを示した初めての知見と考えられる。
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