研究課題/領域番号 |
19K06848
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45040:生態学および環境学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
秋元 信一 北海道大学, 農学研究院, 農学研究院研究員 (30175161)
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研究分担者 |
神戸 崇 北海道大学, 農学研究院, 農学研究院研究員 (40648739)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 有性生殖 / 無性生殖 / アブラムシ / 遺伝的多様性 / クローン / 競争 / 性比 / 他者認識 |
研究成果の概要 |
アブラムシは,半翅目アブラムシ科に属する昆虫で,多くの害虫種を含むことが知られている.本グループの種の中には,年一回有性生殖を行う有性生殖系統と有性生殖を全く行わない無性生殖系統がしばしば共存している.本研究では,両系統が本州北部において共存するエンドウヒゲナガアブラムシを選び,両タイプの2年間の動態を明らかにし,どのようなメカニズムで共存が成立しているのかを解明した.さらに室内実験によって,両タイプが植物上で共存する場合,どのようなメカニズムによって競争が進行するのかを精密に分析した.
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自由記述の分野 |
昆虫生態学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本州北部では,有性生殖系統と無性生殖系統の共存が10年以上継続したことが確認された.本地域ではアカツメクサ上で越冬可能な無性生殖クローンが確認されており,越冬可能性こそが高頻度で無性生殖クローンが維持される要因であると推定できた.クローン間の競争現象を実験室内で客観的に再現したところ,2クローンの共存は繁殖活動を促進し,単一クローンの場合よりもより繁殖率が高まることが明らかとなった.各クローンは他クローンの存在を認識でき,自己クローンと他クローンの個体比率に応じて繁殖率をコントロールできることも明らかとなった.これらの成果は,アブラムシ個体数制御のための技術開発の第一歩となりうる.
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