本研究において、アルキンの分子内ヒドロアミノ化によって含窒素複素環が生成した後に連続してアリル基やシアノ基が導入されるホウ素触媒反応を見出した。これらの反応では、創薬研究上有用な2位に四置換炭素を持つ含窒素複素環が簡便に合成できる。また、アルキンにアリルシランとペンタフルオロフェニル基が導入される三成分カップリング反応を確立した。この研究から、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランがアルキンとの反応において、典型元素化合物であるにもかかわらず、遷移金属触媒様の反応性を持つことを明らかにした。これは、典型元素化合物の可能性を広げる重要な知見である。
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