鍵中間体の合成に用いるジアステレオ選択的なドミノダブルスピロ環化反応は、二つの四級炭素と連続スピロ環骨格を一挙に、且つ立体選択的に構築可能である点が特色である。その有用性にもかかわらず、全世界的にみても前例がなく、独創的である。本反応を、網羅的不斉全合成、非天然型誘導体の合成へと応用することは、薬剤耐性克服作用剤の開発につながり、意義深い。また近年、三次元性や新規性に優れているという理由から、創薬現場で二環性スピロ骨格が注目され始めているが、三環性スピロ化合物は、次世代のスピロ骨格として位置付けることができる。新たな創薬シーズ創出の基盤となることから社会的意義が高いと考えられる。
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